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季刊文芸誌「小説トリッパー」(3、6、9、12月発売)のweb版です。連載(小説やエッ…

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季刊文芸誌「小説トリッパー」(3、6、9、12月発売)のweb版です。連載(小説やエッセイ)のほかに、朝日新聞出版発行の文芸ジャンルの単行本や文庫に関する書評やインタビュー、試し読みなども掲載していく予定です。本と出会えるサイトになればと思っています。

マガジン

  • 『クリームイエローの海と春キャベツのある家』編集日記

    • 6本

    第2回note創作大賞 朝日新聞出版賞受賞作『クリームイエローの海と春キャベツのある家』の著者 せやま南天さんと、担当編集者Kによる編集日記です。

  • 朝日新聞出版の文芸書

    • 175本

    書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。

  • 年森瑛:連載エッセイ「バッド入っても腹は減る」

    パスタを茹でながら、キャベツを煮込みながら、一冊の本をじっくり読む――。いちばん読書がはかどるのはキッチンだ。いま再注目の新人作家による、おいしい読書日記連載スタート。毎月15日更新予定。

  • 川添愛:連載エッセイ「パンチラインの言語学」

    文学、映画、アニメ、漫画……でひときわ印象に残る「名台詞=パンチライン」。この台詞が心に引っかかる背景には、言語学的な理由があるのかもしれない。ひとつの台詞を引用し、そこに隠れた言語学的魅力を、気鋭の言語学者・川添愛氏が解説する連載がスタート! 毎月10日に配信予定。

  • 李琴峰:連載エッセイ「日本語からの祝福、日本語への祝福」

    台湾出身の芥川賞作家・李琴峰さんによる日本語への思いを綴ったエッセイです。朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」で連載中の内容を1カ月遅れで転載します。毎月1日に最新回を公開予定です。

『クリームイエローの海と春キャベツのある家』編集日記

第2回note創作大賞 朝日新聞出版賞受賞作『クリームイエローの海と春キャベツのある家』の著者 せやま南天さんと、担当編集者Kによる編集日記です。

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  • 6本

何を信じて書けばいいのか、迷った日々のこと。そして発売日が決まりました!【クリキャベ編集日記-その4- せやま南天・改稿編】

改稿の日々、前回はこちら。  ・その2(せやまの日記)  ・その3(編集者Kさんの日記) 文字数との闘い  ―打ち合わせ③、第3稿を書く― 「はあ。本当に大丈夫なのかな」 一日の執筆作業の終わり。 手帳に書きつけた字を眺めて、ため息が出た。 小説『クリームイエローの海と春キャベツのある家』の文字数は、ここ最近マイナス進捗が続いている。 数日かけて書き上げたプロットを見ながら、編集者Kさんと3回目の打ち合わせ(Zoom)をし、修正方針は固まっていた。 あとは、修正する

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装幀を一緒に考えませんか?【クリキャベ編集日記-番外編-】

一緒に装幀を考えていただけませんか? みなさま、こんにちは。 朝日新聞出版、書籍編集部のKです。 いつも、クリキャベ編集日記を読んでいただきありがとうございます!   編集日記は「改稿編」の最中ですが、 発売日に向けていよいよ装幀を決めなければならない段階となりました。   装幀は、デザイナーさんとイラストレーターさんのお力で完成に近づいています。 デザイナーのbookwall 松昭教さん (Xアカウント : @bookwall 、@mastu_matsu) イラスレーター

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【クリキャベ編集日記-プロローグ-】第2回note創作大賞 朝日新聞出版賞受賞作の書籍化決定! 編集日記はじめます

編集日記はじめます みなさん、こんにちは。突然失礼いたします。 朝日新聞出版・書籍編集部、編集者一年目のKと申します。   この夏、 第2回note創作大賞の応募作を数作読む機会がありました。 『クリームイエローの海と春キャベツのある家』をはじめて読んだとき、丁寧な描写と、静かであたたかな文体に私はとても惹かれました。主人公の心の葛藤が自分のことのように感じられ、読後にはふぅっと心が軽くなる感覚があり、この作品はもっと多くの人に読まれて欲しい、そして何より主人公「津麦」の

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せやまさんとはじめてお会いした日のこと【クリキャベ編集日記-その1- 編集者K・改稿編】

せやま南天さんとはじめてお会いした日のこと  ―打ち合わせ①― はじめてせやまさんにお会いしたのは第2回note創作大賞授賞式の約3週間前。弊社の一室で打ち合わせが行われた時のこと。 私の右手には、先輩編集者のYさん、左手には文芸編集長、正面斜め左にはnoteのSさん、そして正面にはせやまさん。 最初の打ち合わせでお話したのは、書籍化を前提にした今後のスケジュールと改稿について。「作品の好きだと思ったところをお伝えしよう」とどきどきしながら挑んだのですが、緊張して……うま

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朝日新聞出版の文芸書

書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。

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  • 175本

第10回 林芙美子文学賞 受賞作が決定! 佳作受賞作の冒頭を特別公開します。

受賞の言葉 「小説は軽い」。そう信じています。よく書けた小説は頁越しに世界を小さくし、私の全実存に安心をくれる、と。  かつて、故郷・福島からの一時避難中、私はいつも(バニヤンの主人公や地球座のヘラクレスよろしく)大きな青いバッグを背負っていました。その中には当時描いていた漫画の原稿用紙、アイデアを書き溜めた自由帳、聖書などが入っていて、つまり私の全てが詰め込まれていたわけですが、どうもあの重みが、今まで私に小説を書かせてきたように思うのです。  今回はその歩みに、一種の巡

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第10回 林芙美子文学賞 受賞作が決定! 大賞受賞作の冒頭を特別公開します。

受賞の言葉  一九九七年、大学三年の時に親のワープロを借りて感熱紙に原稿用紙五十枚の小説を書いて、それからは書いて、書いて、夏休み二ヶ月閉じこもって書いて、社会に放り出されて書いて、バイト先のレジでしゃがみ込んで書いて、お腹痛いふりしてトイレで書いて、カフェの真冬のテラス席で耳栓して書いて、就職して書いて、独立して書いて、書けなくなって、また書いて、そうして生まれた、世に出られなかった数百人の登場人物たちの繋がりの果てにいる今作の彼ら彼女らが、今回ようやく日の目を見ることに

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「未来は予測はできないが仕掛けることはできる」/スティーブン・ジョンソン著、大田直子訳『世界をつくった6つの革命の物語』安宅和人さんによる解説を特別公開!

 ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』、ルイス・ダートネルの『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』など、様々な分野を横断して、俯瞰しつつ、世界を書き下ろすという日本にはないジャンルの本が欧米には存在するが、この本はその一冊だ。  この本を手に取られた人はすぐに『世界をつくった6つの革命の物語』というからてっきりフランス革命みたいな話が出てくるのかと思ったら、全くそうではないことに気づくだろう。もともとのお題は“How

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「これほど強い愛の言葉を私は知らない」林真理子さんが感嘆した作家夫婦の壮絶で静謐な愛/小池真理子著『月夜の森の梟』文庫解説を特別公開

 小池真理子さんの『月夜の森の梟』は、朝日新聞紙上で、2020年から連載された。たちまち大変な反響を呼び、終了後に特集記事が組まれたことを記憶している。  が、私はものを書く人間なので、少し別の感想を持った。単に「感動した」「自分も亡くした大切な人を思い出した」というわけにはいかない。まず私が持ったものは「すごいなあ」という感嘆である。  愛する夫を亡くした、というエッセイであるが、一回として同じ切り口がない。全く読者を飽きさせることなく、この連載を続けることに、どれほど

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年森瑛:連載エッセイ「バッド入っても腹は減る」

パスタを茹でながら、キャベツを煮込みながら、一冊の本をじっくり読む――。いちばん読書がはかどるのはキッチンだ。いま再注目の新人作家による、おいしい読書日記連載スタート。毎月15日更新予定。

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  • 2本

年森瑛「バッド入っても腹は減る」第2回

 実家からみかんを大量にもらった。連日食べているのでなんとなく手のひらが黄色くなっている気がする。早く消費せねばと先日はパウンドケーキにしてみたが、使用した砂糖とバターの量がえげつなく、数日かけて食べていたら当然お太りあそばした。今後しばらくヘルシーにいきたい。ヘルシーヘルシー。冷蔵庫オープン。本日消費期限の合い挽き肉を発見。その下敷きになった、同じく期限スレスレの餃子の皮50枚入りも発見。  ……みかん餃子。いけるか。酢豚のパイナップル的なものと考えればいけるのでは。仁王立

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年森瑛「バッド入っても腹は減る」第1回

  長袖を重ね着して眠った夜の明くる朝、お湯が出なくなっていた。古い家に住んでいるので、気温が下がると給湯器がだめになりやすいのだ。再起動したら直るときもあるが、今日は何をやっても水しか出ない。こんなことなら昨日のうちに風呂に入っておけばよかった。帰りが遅かったのでメイクだけ落として寝てしまったのである。  何かあったかいものを食べようと、冷蔵庫からキャベツ1玉を出す。楽に作れるやつがいい。大ざっぱに6等分に切って、4つはラップに包んでまた冷蔵庫にしまって、これから食べる2つ

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川添愛:連載エッセイ「パンチラインの言語学」

文学、映画、アニメ、漫画……でひときわ印象に残る「名台詞=パンチライン」。この台詞が心に引っかかる背景には、言語学的な理由があるのかもしれない。ひとつの台詞を引用し、そこに隠れた言語学的魅力を、気鋭の言語学者・川添愛氏が解説する連載がスタート! 毎月10日に配信予定。

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  • 2本

「とびきり甘い人生」(『チャーリーとチョコレート工場』)――川添愛「パンチラインの言語学」第2回

 今回は『チャーリーとチョコレート工場』を取り上げる。これは私が「バレンタインシーズンだから」と気を利かせたがゆえのチョイスではなく、この連載2回目にして早くもどの作品を取り上げたらいいか分からなくなり、担当Uさんのおすすめに唯々諾々と従った結果だ。飲食店で「店長のおすすめ」ばかり注文する主体性のなさが露呈した。  この映画、実は未見だった。2005年の公開当時は、『おそ松くん』のイヤミを彷彿とさせるおかっぱ頭のジョニー・デップが不気味すぎて、見る気になれなかった。実際に見

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「フラッシュ・ゴードンが来てる」(『テッド』)――川添愛「パンチラインの言語学」第1回

 今回からweb TRIPPERで連載をさせていただくことになった。皆さんもどういう連載なのかよく分からないと思うが俺も分からねえという状況だ。どうやら映画やアニメ、漫画などで印象に残る台詞(パンチライン)を言語学的に考察しなさい、という感じらしい。  たぶんこの依頼の本来の意図は、誰でも知ってる作品の誰でも知ってる台詞、たとえば『ワンピース』の「海賊王に おれはなる!!!!」とか、『スター・ウォーズ』の「ア~イ アム ユア ファ~ザ~(シュコォ〜 ←呼吸音)」とか、そういう

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李琴峰:連載エッセイ「日本語からの祝福、日本語への祝福」

台湾出身の芥川賞作家・李琴峰さんによる日本語への思いを綴ったエッセイです。朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」で連載中の内容を1カ月遅れで転載します。毎月1日に最新回を公開予定です。

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  • 21本

音を科学する魔法(前編)――李琴峰「日本語からの祝福、日本語への祝福」第21回

第21回 音を科学する魔法(前編)  伝統的な中国文学科というのはただ文学をやっていればいいというわけではない。修めなければならない学問分野は大きく分けて三つある。文学、哲学、そして言語学である。  そもそも「文学」という言葉は本来、西洋で言うliteratureを指しているわけではない。『論語』には「四科十哲」とあり、「四科」とは「徳行、言語、政事、文学」という四つの科目のことだが、ここの「文学」とは「文章による学問全般」のことである。伝統的な漢籍図書分類法の「経」「史

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修業時代の洗礼――李琴峰「日本語からの祝福、日本語への祝福」第20回

第20回 修業時代の洗礼  私の留学先は別科日本語専修課程というところだった。  文学部や法学部といった一般的に知られる学部・学科とは違い、別科は日本語や日本文化、日本事情の講義を開講する、もっぱら留学生を対象にした教育プログラムである。正規の教育課程であることに変わりはないが、ほとんどの日本人学生はその存在すら知らないので、「李さんは何学部ですか?」と訊かれたら、説明はかなり面倒だった。こうこうこういうことですとなるべく正しい説明を心がけても、結局「それってつまり文学部

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コンビニ勤務記――李琴峰「日本語からの祝福、日本語への祝福」第19回

第19回 コンビニ勤務記  台湾にいた頃、私は学力と学歴を活かしてもっぱら家庭教師のアルバイトをしていた。教えたことがあるのは国語と英語、そして日本語である。家庭教師は時給が高く、コンビニ店員の四、五倍だった。  ところが日本に来ると、台湾での学力と学歴は一切通用しなくなった。日本の義務教育も入試も受けたことがないし、台湾随一の大学に通っていても、日本では「何それ聞いたことない」状態である。当たり前だが、台湾の「国語」と日本の「国語」は内容が全然違う。日本語の家庭教師のニ

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新宿、ガラケー、円高――李琴峰「日本語からの祝福、日本語への祝福」第18回

公開を終了しました。最新三回分を公開しています。 ※毎月1日に最新回を公開予定です。 李琴峰さんの朝日新聞出版の本 【好評3刷】生を祝う

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