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冬季号は創作が1本に、新連載もスタート! 連載、連作3本堂々完結。評論も充実!〈「小説TRIPPER」2023年冬季号ラインナップ紹介〉
◆創作屋敷葉 「常時録画の愛」 将来を約束した恋人でもなく、一生食べていける仕事でもない。「交際」を「職業」にしているカップルYouTuberの雪葉と晃。偶然バズった動画配信を中途半端な気持ちのまま続ける二人だが、晃が化粧水のプロデュースに乗り出したことで、雪葉は「お笑い」への道を意識しはじめる。真の「相方」を探す現代の成長小説。 ◆新連載真保裕一 「共犯の畔」 ある国会議員の事務所で立て籠もり事件が発生、犯人はあっさり逮捕されるが黙秘を貫く。やがて33年前に行われ
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記事をすべて見る すべて見るステージ4のがん患者、「ガン遊詩人」の鎌田東二・京都大学名誉教授が、島薗進さんの『死生観を問う 万葉集から金子みすゞへ』を評す
「あなた自身の死生観」のために、多大なヒントと気づき 島薗進さんとは半世紀の付き合いだ。二十代の半ばに宗教社会学研究会で初めて出会って以来、さまざまな局面で伴走してきた。 その50年近くの島薗進の学道探究の旅路を間近に見て来た者として、最新著『死生観を問う 万葉集から金子みすゞへ』は、折口信夫研究(修士論文)から死生学研究(東京大学COE拠点リーダー)を経て、グリーフケア研究に参入してきた「島薗学」の総括とも集大成とも言える渾身の一冊であると受け止めている。島薗進の眼
NHK大河「光る君へ」をより深く楽しめる一冊!永井路子著『この世をば 藤原道長と平安王朝の時代 上・下』澤田瞳子さんによる文庫解説を特別公開!
英雄を一点非の打ちどころのない人物として描くことは、非常にたやすい。なぜなら英雄とは凡人の予想もつかぬ人間であるがゆえに英雄たりえ、突飛な行動も非論理的な言説も「英雄」という設定の前には、すべて許されてしまうからだ。 難しいのはむしろ、英雄をただの平凡な生身の人間として描くこと。超人であれば遭わぬであろう悩み苦しみ、ただ人であるがゆえの苦悶……生身の人間を余さず文章を以て捉えるには、残酷なまでにひたむきな観察と精緻な描写が必須となる。 本作において永井路子は、平安中
「誰かひとりが思索を深めるだけで、ここまでインパクトのある仕事ができるのか」社会学者の橋爪大三郎さんが「勇気をもらった」と激賞する、東浩紀さん話題の新書『訂正する力』書評公開
訂正する力、訂正できない人びと 『訂正可能性の哲学』(ゲンロン)を2023年8月に出版したばかりの東浩紀氏の、語り下ろしだ。聞き手は辻田真佐憲氏、構成も手がけている。できた原稿にもう一度東氏がすっかり手を入れたのが、本書『訂正する力』である。二人のコンビが絶妙で、なめらかプリンのような仕上がりだ。のど越しがよく、しっかり栄養もとれる。これまでの東氏の手強い文章と違い、すらすら読みやすい。 なぜいま「訂正可能性」なのか。混乱する世界を導くこの概念の誕生の秘密を、本書は丁寧
「久米宏は罪深い」の真意とは? 久米氏初の自叙伝『久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった』をライター・テレビっ子の戸部田誠(てれびのスキマ)さんがレビュー!
久米宏は罪深い――。 そう僕は思っていた。なぜならテレビのニュースを「わかりやすいもの」に変えてしまったからだ。それまでニュース番組は視聴率競争とは無縁のものだった。そもそも数字が獲れる発想はなかったのだ。そんな中、1985年に始まった久米宏がキャスターを務める『ニュースステーション』は、その「面白さ」で高視聴率を獲得。他のニュース番組も視聴率獲得を目指すようになった。 本作は、「『土曜ワイドラジオTOKYO』『料理天国』『ぴったしカン・カン』『ザ・ベストテン』『お
「『悪逆』は面白い。文句なしに面白い。絶対のお薦めだ」文芸評論家・池上冬樹さんが太鼓判を押す、本年度最注目のクライム・サスペンス!【黒川博行著『悪逆』書評】
カタルシス vs.ピカレスクの魅力 黒川博行の小説は読みとばせない。軽妙ですいすい読めるのに、台詞の一つひとつに味があり、笑いがあり、キャラクター描写の冴えがある。相変わらず語りの巧さは天下一品で、大胆で不埒なストーリー、賑々しいキャラクターの妙、リズミカルで生き生きとした会話が素晴らしく、笑いながら頁を繰っていく。退屈に思えるところなど微塵もない。さすがは「浪速の読物キング」(伊集院静)だ。 物語はまず、殺し屋が広告代理店元社長大迫を殺す場面から始まる。綿密に計画を
※終了※【24時間限定試し読み】ひとが、より良く生きるための力。そして、この国が、より良くなるための力とは?/東浩紀『訂正する力』第1章までを公開!
※24時間限定試し読みは終了しました。たくさんの方に読んでいただき、誠にありがとうございました! 株式会社ゲンロンの創業者で、批評家の東浩紀さんによる新刊『訂正する力』が、2023年10月13日(金)に朝日新書から発売します。この夏にゲンロンから刊行したデビュー30周年の集大成『訂正可能性の哲学』は発売するや忽ち重版が決まり、いくつかの書店ランキングでも1位を飾りました。本書は、そこで提示されている「訂正可能性」という考え方について、ふだん哲学に馴染みのない読者にも分かり