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北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第12回
第5峰『新・酔いどれ小籐次』其の弐
終盤の大盛り上がりと誰も予想できないラスト以降
小籐次はなぜ飽きないのか。高値安定の構造を考える
すっかり軌道に乗っている物語は10巻を超えても激変することなく継続されていく。事件が起きても、旅に出ても、ほころびを見せない。藩を出て自由の身となった小籐次が作り上げた強固な人間関係とライフスタイルは、がっちりと江戸の町に根を下ろし、作者である佐伯泰英でさえ
北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第11回
第5峰『新・酔いどれ小籐次』
家庭を持った江戸随一の人気者。老いも受け入れ全力で生きる
欲望から自由になると人生はもっと豊かになる
期間を空けての続編で駿太郎の年齢をリセット
心なしか尻切れトンボで終わった感のある『酔いどれ小籐次』、待ってましたの続編だ。
第1巻は、『酔いどれ小籐次』の最終巻で亡くなった三河蔦屋の12代目染左衛門の3回忌法要から幕を開ける。初めて読んでもつつが
年森瑛「バッド入っても腹は減る」第6回
食事が苦手だ。
理由はいくつかあって、まず基本的に胃が弱い。冷たい牛乳を飲めばたちまち吐き気を催し、ケンタッキーを食べれば下痢をする。ややこしいことにコンディションがまちまちなので、おかわりできる日もあれば半分以上残す日もある。
偏食でもあるため「食べ物みのあるもの」を食べられない時期が定期的に訪れる。「食べ物みのあるもの」とは米・肉魚・野菜のような一般的な食卓に出されるすべてを指す。先週は
北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第10回
第4峰『酔いどれ小籐次』其の弐
庶民派ヒーロー・小籐次の活躍は、作者から読者へのエールだ
包丁研ぎと野菜売りのコンビで商売繁盛
もろもろの準備が整いスタートする小籐次の新たな活躍。まずは生活の糧を得るところからだが、その前に充実の脇役陣を紹介しておこう。
佐伯時代劇では主人公を支援する地元有力者が欠かせない。彼らは生活の面倒を見てくれたり、仕事を与えてくれたり、ポンと現金を与えてくれ
「やっ……てますね」(『不適切にもほどがある! 』)――川添愛「パンチラインの言語学」第7回
今回取り上げるのは、今年一月から三月にかけて放映された宮藤官九郎脚本の人気ドラマ『不適切にもほどがある!』だ。各所で話題になった本作、私も毎週楽しみに見ていた。謎のバス(実はタイムマシン)に乗って1986年から2024年にタイムスリップした中学体育教師、小川市郎(演・阿部サダヲ)が時代を飛びこえながら活躍し、昭和と令和のギャップを浮き彫りにするコメディだ。
昭和生まれの人間からすると懐かしいネ
北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第9回
第4峰『酔いどれ小籐次』
下級武士の逆転人生!
オヤジの夢を叶える人気シリーズ
冴えないオヤジが藩主のために立ち上がる
こんなにダメな主人公が、かつていただろうか
いよいよ全オヤジ読者が拍手喝采した会心作の登場だ。佐伯時代小説は数あれど、中高年男性ファンにアンケートを取ったら、人気ナンバーワンの主人公は本作の赤目小籐次だろうと思うほど、いい夢を見せてくれる。
時代小説の主人公は