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校正者さんは欠かせない存在【クリキャベ編集日記-その7- 編集者K・校正編】
前回のせやま南天さんの日記(その6)はこちら
前回の編集者Kの日記(その5)はこちら
校正者さんは欠かせない存在
年が明けた2024年1月。
改稿を終え、入稿し、ついに初校ゲラになった『クリキャベ』を、校正者さんのもとへお届けしました。
そして、校正を終え、
校正者さんによって一字一字チェックしてもらったゲラを
著者のせやまさんにお届けします。
編集者は、著者に渡すだけ……
のように見えます
いつかの山下公園 伊兼源太郎
1
あれは……。三枝貴明は瞬きを止めた。
普段はしない黒縁眼鏡をかけ、生えていないはずの顎髭を蓄えているが、同じ職場で一つ下の後輩――谷澤雅史を見間違えはしない。人間は不特定多数の集団から見知った顔を瞬時に見つけ出す習性があり、刑事はその能力を日々磨いている。
変装――。
三枝はそれとなく周りを見回した。午後二時半、山下公園に近い高級ホテル『横浜グランドメゾンホテル』の喫茶ラウンジは、多