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季刊文芸誌「小説トリッパー」(3、6、9、12月発売)のweb版です。連載(小説やエッ…

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季刊文芸誌「小説トリッパー」(3、6、9、12月発売)のweb版です。連載(小説やエッセイ)のほかに、朝日新聞出版発行の文芸ジャンルの単行本や文庫に関する書評やインタビュー、試し読みなども掲載していく予定です。本と出会えるサイトになればと思っています。

マガジン

  • 北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』

    平成を大法する大ベストセラー作家・佐伯泰英。その膨大な著作をすべて読破してレポート。読者をひきつけてやまない魅力を全力で伝えます!

  • 朝日新聞出版の文芸書

    • 231本

    書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。

  • 上坂あゆ美:連載エッセイ、短歌「人には人の呪いと言葉」

    喉につかえてしまった魚の小骨のように、あるいは撤去できていない不発弾のように、自分の中でのみ込みきれていない思い出や気持ちなどありませんか。あなたの「人生の呪い」に、歌人・上坂あゆ美が短歌と、エッセイでこたえます。

  • 鶴谷香央理:連載コミック「傲慢と善良」(原作・辻村深月)

    【毎月20日 11時更新予定】 婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。彼女はなぜ姿を消したのか。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる――。 現代社会の生きづらさを恐るべき解像度で描き、多くの共感を呼んだ、2023年最大のベストセラー小説『傲慢と善良』を、名手・鶴谷香央理がコミカライズ!! 小説公式サイトはこちら https://publications.asahi.com/feature/gouman/

  • 年森瑛:連載エッセイ「バッド入っても腹は減る」

    パスタを茹でながら、キャベツを煮込みながら、一冊の本をじっくり読む――。いちばん読書がはかどるのはキッチンだ。いま再注目の新人作家による、おいしい読書日記連載スタート。毎月15日更新予定。

記事一覧

北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第8回

第3峰『夏目影二郎始末旅』其の弐 真のテーマは男の友情だった!? 荒唐無稽な活劇を支える写…

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2か月前
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北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第7回

第3峰『夏目影二郎始末旅』 血と汗と涙が炸裂する、ハードボイルド股旅ロマン ダークヒーロ…

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2か月前
3
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鶴谷香央理:『傲慢と善良』第2話

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2か月前
122
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鶴谷香央理:『傲慢と善良』第1話

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2か月前
269

北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第6回

第2峰『鎌倉河岸捕物控』其の弐 いぶし銀! 金座裏九代目・宗五郎親分の安定感とオヤジ力 …

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2か月前
6

偉い人にはそれがわからんのです(よ)(『機動戦士ガンダム』)――川添愛「パンチラ…

 前回の予告どおり、今回も『機動戦士ガンダム』を取り上げる。前回はニュータイプの話でお茶…

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3か月前
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北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第8回

北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第8回

第3峰『夏目影二郎始末旅』其の弐

真のテーマは男の友情だった!?

荒唐無稽な活劇を支える写真家の描写力

『夏目影二郎始末旅』を、著者は約15年間かけて書き上げた。全15巻だから、佐伯泰英の作品群にあって、さほど長いほうではない。でも、読みごたえはたっぷり味わえる。中身が濃いのだ。中盤までは各巻400ページを越すボリューム。さらに、光文社文庫の〈決定版〉では、巻末ごとに『佐伯泰英外伝』と題し、

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北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第7回

北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第7回

第3峰『夏目影二郎始末旅』
血と汗と涙が炸裂する、ハードボイルド股旅ロマン

ダークヒーロー夏目影二郎が関八州の悪を討つ

続編もスピンオフもない全15巻完全燃焼の傑作

 遅咲き時代小説家の佐伯泰英が、デビュー作の『密命』に続いて放った長編シリーズが本作『夏目影二郎始末旅』だ。刊行時期は2000年から2014年。当初は日文文庫から発行されたが、途中から版元が変わり、光文社文庫として全15巻で完

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北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第6回

北尾トロ『佐伯泰英山脈登頂記』第6回

第2峰『鎌倉河岸捕物控』其の弐

いぶし銀! 金座裏九代目・宗五郎親分の安定感とオヤジ力

絶妙な設定で大がかりな捕物が可能になった

 人呼んで「金座裏」の9代目宗五郎。江戸でもっとも古株の十手持ち(岡っ引き)で、将軍家御目見の古町町人(代々江戸で暮らしてきた人たち)でもある。

 金座は幕府が金貨の鋳造などを行う重要な機関で、現在も日本銀行の本店が同じ場所にある。そこで著者は、裏口の本両替町

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偉い人にはそれがわからんのです(よ)(『機動戦士ガンダム』)――川添愛「パンチラインの言語学」第6回

偉い人にはそれがわからんのです(よ)(『機動戦士ガンダム』)――川添愛「パンチラインの言語学」第6回

 前回の予告どおり、今回も『機動戦士ガンダム』を取り上げる。前回はニュータイプの話でお茶を濁してしまい、言語学要素がいつにも増して薄めだった自覚はある。できれば今回もアムロとララァの謎会話のことや、ララァに「大佐、どいてください、邪魔です!」と言われてしまった可哀想なシャアの話とかをしたいものだが、そこをぐっとこらえて、もうちょっと言語学寄りに『ガンダム』のセリフを眺めてみたいと思う。

 この作

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