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李琴峰:連載エッセイ「日本語からの祝福、日本語への祝福」

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台湾出身の芥川賞作家・李琴峰さんによる日本語への思いを綴ったエッセイです。朝日新聞出版のPR誌「一冊の本」で連載中の内容を1カ月遅れで転載します。毎月1日に最新回を公開予定です。
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2024年3月の記事一覧

音を科学する魔法(後編)――李琴峰「日本語からの祝福、日本語への祝福」第22回

音を科学する魔法(後編)――李琴峰「日本語からの祝福、日本語への祝福」第22回

第22回 音を科学する魔法(後編)

 前回、音声学と音韻学は言語学の中でも敬遠されがちな分野だと述べたが、所詮現代的な学問であり、使われている道具セット(国際音声字母など)もかなり現代的なものだ。それと比べ、中国の伝統的な言語学の一分野である「声韻学」のほうが遥かに抽象的で、難解である。声韻学を必修科目とする中文科で、学生たちはよく真っ赤に充血した目を見開いて黄ばんだ教科書と睨めっこしながら、呪

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