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朝日新聞出版の文芸書

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書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。
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#立ち読み

【祝!初小説集発売記念 試し読み】俳優・長井短『私は元気がありません』表題作を一部公開

「いってきます」で目が覚める。ダウンコートのカサカサが顎を掠めて、吾郎が出張に出かけるんだと思い出した。できるだけ、瞳に光が差さないように気をつけながら「いってらっしゃい」と返事をすると、もう一度カサカサが顔にぶつかって離れる。今何時だろう。二度寝の権利を引き摺り込んで、羽毛布団に深く潜った。次に目が覚めたのは昼過ぎだった。身体は重い。お酒を飲んだのは一昨日なのに、まだ体内にアルコールが残っている感じがする。「三十越えるとマジどっと来るよ」って言ってたのは三茶のどの店の人だっ

※終了※【24時間限定試し読み】ひとが、より良く生きるための力。そして、この国が、より良くなるための力とは?/東浩紀『訂正する力』第1章までを公開!

※24時間限定試し読みは終了しました。たくさんの方に読んでいただき、誠にありがとうございました!  株式会社ゲンロンの創業者で、批評家の東浩紀さんによる新刊『訂正する力』が、2023年10月13日(金)に朝日新書から発売します。この夏にゲンロンから刊行したデビュー30周年の集大成『訂正可能性の哲学』は発売するや忽ち重版が決まり、いくつかの書店ランキングでも1位を飾りました。本書は、そこで提示されている「訂正可能性」という考え方について、ふだん哲学に馴染みのない読者にも分かり

※終了※【期間限定公開!】塩田武士著『存在のすべてを』 序章 ―誘拐―

 塩田武士さんが『週刊朝日』に一年以上にわたって連載された渾身の作品『存在のすべてを』が遂に2023年9月7日発売されました。 ※期間限定公開は終了しました。たくさんの方にお読み頂き、誠にありがとうございました。 著者渾身の到達点、圧巻の結末に心打たれる最新作。 『罪の声』に並び立つ新たなる代表作の誕生です。  発売を記念して、「二児同時誘拐」からスタートする「序章 ―誘拐―」を、期間限定で先行公開いたします。緊張感溢れる物語のドライブ感を充分に味わってください!

※終了【期間限定 全文公開】森絵都さん待望の新刊『獣の夜』発売記念!収録短編から「太陽」を期間限定で特別全文公開!

※期間限定の試し読みは終了しました ■書店員さんの感想も! ■森絵都『獣の夜』(朝日新聞出版) ■書籍データ

※終了※【期間限定 一部試し読み】『ソロキャン! 2』発売記念!『ソロキャン!』第2話までを特別公開/ 焚き火の癒しを求めてキャンプに出かける主人公を描いた本格ソロキャンプ小説

※期間限定の試し読みは終了しました。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました!

【試し読み】忙しい日々を乗り切る、時間管理・効率化とは? 共感必至の子育てエッセイ!村井理子『ふたご母戦記』/苦手なことは捨てて「楽して上等」

■第3回/「感情的な親」にならない方法 苦手なことは捨てて「楽して上等」 翻訳をして、原稿を書いて、双子を育てて、そのうえ大型犬もいて、高齢者の介護もして一体どうやって時間のやり繰りをしているの!?と聞かれることが頻繁にある。特に最近は増えてきたかもしれない。傍から見ると、悠々と乗り越えているように見えるのかもしれない。自分では四苦八苦しながら毎日をどうにか生きていると思うのだが、もしやその四苦八苦が伝わっていないのか……いや、四苦八苦を上手に隠しきれているのだろうか。そう

【試し読み】PTA活動に保護者会…その前に読みたい、共感必至の子育てエッセイ!村井理子『ふたご母戦記』/「感情的な親」にならない方法

■第2回/粉ミルク・バイクぶちまけ事件 「感情的な親」にならない方法 子どもが小学校に通いはじめてからできたママ友とは、今でも友好な関係を築いている。多くが仕事を持つ親なので滅多に会うことはないが、車ですれ違えば、慣れた手つきでハンドサインを送り合い(今日もおつかれ)、年に1度程度の食事会で会えばブランクなど一切感じさせない、よどみない会話でランチが冷めるほどである。嫁いだ先が農家のお母さんからは、新米の時期になると「新米、どや」といったメッセージが送られてくる。「30キロ

【試し読み】ワンオペふたご育児で追い詰められて…共感必至の子育てエッセイ!村井理子『ふたご母戦記』/粉ミルク・バイクぶちまけ事件 

■第1回/自己紹介:初産で、双子で、高齢出産だ 粉ミルク・バイクぶちまけ事件 育児の何がそこまで大変なの? そもそも、大変だということはわかっていて、それでもあえて出産したのでしょう?と、私自身も何度か言われたことがある。そのたび、何も言い返せず、口ごもるだけだった。悲しい。  今だったら、育児の何がそこまで大変なのだと問われたら、「孤独」が一番辛いのだと大声でハキハキと答えることができる。大変だとわかって産んだのでしょう?と言われれば、それはもちろんわかっていたけれど、

【試し読み】共感必至の子育てエッセイ誕生! 村井理子『ふたご母戦記』/自己紹介:初産で、双子で、高齢出産だ

初産で、双子で、高齢出産だ  私は日本一大きな湖である琵琶湖のほとりに住む、平凡な主婦。夫と双子の16歳になる男児と、黒いラブラドール・レトリバー(45キロ)とともに暮らしている。  子どもが生まれた直後に、10年以上暮らした京都から、はるばる越してきた。まるで海のように青くて大きな琵琶湖と、雄大な比良山系に挟まれた地域に一軒家を構え、今年で17年目になる。夏は湖水浴客でごった返し、冬はスキーを楽しむ人々の車で国道が混雑するような、いわゆるリゾート地ではあるけれど、地形に高

【試し読み】佐原ひかり最新作『人間みたいに生きている』/「冒頭2頁で心臓鷲掴みされました」「この切り口は衝撃を受けた」「読んだ人と語り合いたくなる小説」……発売前から熱い感想続々!!

※期間限定の全文公開は終了しました。読んでくださったみなさま、ありがとうございます。冒頭部分のみ試し読みを続けます。もっと読みたい!という方は、単行本や電子書籍で、ぜひお楽しみください。  口は穴だ。顔に空いた穴。備え付けの歯と舌を駆使し、自分に自分以外の何かを取り入れるための穴。今日も無数の死骸をここに入れ、ねぶり、砕き、噛みちぎり、飲み込んだ。残るは、この鳥の死骸だけだ。羽毛を毟られ、一口大に変形させられた、鳥の死骸。ゆっくりと箸で持ち上げ、穴へと運び入れる。顎を動かす

※終了※【特別公開】夢枕獏氏「キマイラ」完結へ! 40年続く人気シリーズが1年半の休載を経てついに再開/「聖獣変 第1話」を期間限定公開

※特別公開は終了しました。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。 ※特別公開は終了しました。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました。引き続き「一冊の本」での連載をお楽しみください。

※終了※【話題沸騰!】小川哲「君のクイズ」が単行本で10/7発売決定!試し読みを緊急公開

※試し読みは終了しました※  小川哲さんの小説「君のクイズ」が異例の反響です。「小説トリッパー」2022年夏季号に一挙掲載後、SNSを中心に各方面から熱い感想が届いています。クイズプレーヤーを主人公にした本作は、小説好きの方だけでなくクイズ好きの方にも興味をもって読んでいただけているようです。そんな話題沸騰の本作ですが、10月7日に書籍として刊行することが決定しました。単行本発売の情報解禁記念として、作品の約1/4を、12日間限定で一部先行公開いたします。一段落目からすでに面

※終了※【期間限定公開!】乙一、中田永一、山白朝子、安達寛高『沈みかけの船より、愛をこめて』

※期間限定の試し読みは終了しました。たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございました!  2022年5月20日(金)に発売した乙一、中田永一、山白朝子、安達寛高による『沈みかけの船より、愛をこめて』。奇想、異空間、そして限りない叙情が溢れ出す、異色の「ひとりで四人」アンソロジーとなっています。その中から中田永一さんの「無人島と一冊の本」を、5月18日(水)から29日(日)まで限定公開します。(※限定公開は終了しました)

※終了※【期間限定 試し読み】森絵都『カザアナ』第1章から第3章公開!

※期間限定での試し読みは終了しました。たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございました! 続きが気になる方は、ぜひ文庫版でお楽しみください ■カザアナ 森絵都 目次 【主な登場人物】 ※期間限定の試し読みは終了しました。読んでくださったみなさま、ありがとうございました。この続きは朝日文庫でお楽しみください。