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朝日新聞出版の文芸書

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書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。
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#立ち読み

伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(朝日文庫)をマンガで試し読み!

 本作の「ためしよみ」が贅沢にマンガで読めます。ぜひ『ペッパーズ・ゴースト』の世界をマンガで体験してみてください! 【『ペッパーズ・ゴースト』特設サイト】 https://publications.asahi.com/feature/peppers_ghost/ 『ペッパーズ・ゴースト』(朝日文庫) 著者:伊坂幸太郎 発売日:2024年1

【試し読み】田中慎弥が「生きるためにどうしても書かなければならなかった小説」『死神』の冒頭を公開!

※期間限定の全文公開は終了いたしました。お読み下さったみなさま、ありがとうございました。冒頭部分は引き続きお読みいただけます! ▼刊行記念エッセイはこちら 死神 中学二年の時、初めて本当に死のうとした。つまり、初めてあいつに会った。そのことをあとであいつに言うと、 「お前が死にたがるのは俺のせいなんかじゃない。お前の意思だよ。」  だが、どう考えても、死とあいつとは一体だ。何しろ、死神なのだから。  なぜ死のうとしたのか、正直分らない。しかし、十年以上も生きていて、一度も

【冒頭部分読めます!】あまりの衝撃に担当編集者も打ち震えた、恐怖の限界会社員ミステリ『死んだら永遠に休めます』/続きはネットギャリーで全文公開!

\書店関係者、レビュアーの皆様!/ ━━━━内容紹介━━━━  死んでほしいと思っていたパワハラ上司が死んだらしい。容疑者は――部下、全員。  無能なパワハラ上司に苦しめられながら毎日深夜まで働き詰めの生活を送る28歳の主人公・青瀬。突然失踪したパワハラ上司・前川から届いたメールの件名は「私は殺されました」。本文には容疑者候補として「総務経理本部」全員の名前があった。  限界会社員・青瀬と妙に頭の冴える派遣社員・仁菜は二人で真相解明に取り組むのだが……。 ━━━━━━━━

【試し読み】「学校で友達を作る厄介さ」漫画家・コラムニストのカレー沢薫さん『女って何だ? コミュ障の私が考えてみた』<第1回>

学校で友達を作る厄介さ 〈社会人より、明らかに学生時代の方がキツい〉卒業までの契約で、お互い 友達役のサクラをやっているようなもの。  当コラムでは何度も、「大人になると、友達がいなくて困ることが学生時代に比べて格段に減る」と主張してきた。これは逆に言うと、「学生時代は厳しかった」ということだ。  よく、「社会人になれば学生時代がどれだけ楽だったかわかる」と言われるが、友人関係に限定すると、明らかに学生時代の方がキツい。  社会人というぬるま湯に浸かりきった今の身体で、

【試し読み】『銀座「四宝堂」文房具店』著者による、涙あふれる最新作『中野「薬師湯」雑記帳』の序章と第一話「春」を全文公開!

序 東京行きの中央線快速は高架の上を走っている。そのお陰で窓の外には遥か彼方まで建物で埋め尽くされた景色が広がり、地理で習った関東平野を実感させる。  窓に額を押し付けて見呆けている僕は、どこから見ても田舎者丸出しだろう。でも、そんなことが気にならないぐらいに車窓からの眺めは素晴らしい。  本当は呑気に景色を楽しんでいる場合ではない。もう少し焦らなければならないはずだ。けれども、僕は「なんとかなる」と心の底で思い込んでいた。後々になって分かることだけれど、この直感は当たっ

【全文公開】佐々木敦さんによる本格文芸評論、『成熟の喪失』から「はじめに」を全文公開!

成熟の喪失 庵野秀明と〝父〟の崩壊 佐々木敦はじめに  本書は、庵野秀明という映像作家についての長編評論です。  一九九五年に放映が開始され、社会現象とも言うべき大ヒットとなったTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の監督として世にその存在を知らしめた庵野は、その後も四半世紀以上にわたってリメイク/リブートを続けた「エヴァ」シリーズを軸として、実写映画を含む数々の話題作によって、作家としての人気と評価を高めてきました。庵野に対する世評は二〇二一年に公開されたシリーズ完結編『シ

【特別試し読み】鴻巣友季子さん集中連載「小説、この小さきもの~孤独、共感、個人~」第1部から「はじめに」と第2章冒頭公開!/なぜ人は小説に共感を求めようとするのか? 小説が書かれる・読まれる歴史の背景を遡りながら、その起源と本質に迫る本格評論

小説、この小さきもの ~孤独、共感、個人~ 鴻巣友季子第一部 小説、感情、孤独 はじめに  小説とはなにか? などという問いはあまりにプリミティヴに響くだろう。  西洋の物語の起源には詩があった。文学とは長らくおもに韻文の詩を意味していた。しかしどうだろう、いまの世界を見わたしてみると、西洋で生まれた散文文芸である小説が文学の中心であるかのごとく扱われている国や文化圏は多く、日本もそのひとつだ。  どうして小説はときに「涙が止まらない」「切なさ一〇〇パーセント」「共感しか

共感必須!松井玲奈さんが好きなことも苦手なこともすべて詰め込んだエッセイ集『私だけの水槽』の一編を特別公開

クリストファー・ロビンに従って  地方での撮影を終えてようやく自宅に戻ってきた。猫たちは飼い主が帰ってきてもまったりくつろいで我関せずで、荷物を下ろすと緊張の糸が切れ詰め込んでいたセリフたちが頭から耳へと流れ、外にドロドロと溶け出していった。数日間の撮影の中、朝から晩までみっちり毎日十何ページも撮影しセリフを喋り、もうしばらくセリフなんて覚えたくない! 台本なんて開いてたまるか! 頭を休めさせてくれ!と荒んだ気持ちだった。初めてのチームの中に飛び込んでいった緊張感もあり、疲

【祝!初小説集発売記念 試し読み】俳優・長井短『私は元気がありません』表題作を一部公開

「いってきます」で目が覚める。ダウンコートのカサカサが顎を掠めて、吾郎が出張に出かけるんだと思い出した。できるだけ、瞳に光が差さないように気をつけながら「いってらっしゃい」と返事をすると、もう一度カサカサが顔にぶつかって離れる。今何時だろう。二度寝の権利を引き摺り込んで、羽毛布団に深く潜った。次に目が覚めたのは昼過ぎだった。身体は重い。お酒を飲んだのは一昨日なのに、まだ体内にアルコールが残っている感じがする。「三十越えるとマジどっと来るよ」って言ってたのは三茶のどの店の人だっ

※終了※【24時間限定試し読み】ひとが、より良く生きるための力。そして、この国が、より良くなるための力とは?/東浩紀『訂正する力』第1章までを公開!

※24時間限定試し読みは終了しました。たくさんの方に読んでいただき、誠にありがとうございました!  株式会社ゲンロンの創業者で、批評家の東浩紀さんによる新刊『訂正する力』が、2023年10月13日(金)に朝日新書から発売します。この夏にゲンロンから刊行したデビュー30周年の集大成『訂正可能性の哲学』は発売するや忽ち重版が決まり、いくつかの書店ランキングでも1位を飾りました。本書は、そこで提示されている「訂正可能性」という考え方について、ふだん哲学に馴染みのない読者にも分かり

※終了※【期間限定公開!】塩田武士著『存在のすべてを』 序章 ―誘拐―

 塩田武士さんが『週刊朝日』に一年以上にわたって連載された渾身の作品『存在のすべてを』が遂に2023年9月7日発売されました。 ※期間限定公開は終了しました。たくさんの方にお読み頂き、誠にありがとうございました。 著者渾身の到達点、圧巻の結末に心打たれる最新作。 『罪の声』に並び立つ新たなる代表作の誕生です。  発売を記念して、「二児同時誘拐」からスタートする「序章 ―誘拐―」を、期間限定で先行公開いたします。緊張感溢れる物語のドライブ感を充分に味わってください!

※終了【期間限定 全文公開】森絵都さん待望の新刊『獣の夜』発売記念!収録短編から「太陽」を期間限定で特別全文公開!

※期間限定の試し読みは終了しました ■書店員さんの感想も! ■森絵都『獣の夜』(朝日新聞出版) ■書籍データ

※終了※【期間限定 一部試し読み】『ソロキャン! 2』発売記念!『ソロキャン!』第2話までを特別公開/ 焚き火の癒しを求めてキャンプに出かける主人公を描いた本格ソロキャンプ小説

※期間限定の試し読みは終了しました。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございました!

【試し読み】忙しい日々を乗り切る、時間管理・効率化とは? 共感必至の子育てエッセイ!村井理子『ふたご母戦記』/苦手なことは捨てて「楽して上等」

■第3回/「感情的な親」にならない方法 苦手なことは捨てて「楽して上等」 翻訳をして、原稿を書いて、双子を育てて、そのうえ大型犬もいて、高齢者の介護もして一体どうやって時間のやり繰りをしているの!?と聞かれることが頻繁にある。特に最近は増えてきたかもしれない。傍から見ると、悠々と乗り越えているように見えるのかもしれない。自分では四苦八苦しながら毎日をどうにか生きていると思うのだが、もしやその四苦八苦が伝わっていないのか……いや、四苦八苦を上手に隠しきれているのだろうか。そう