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今村夏子『むらさきのスカートの女』

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今村夏子さんの芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』に関する記事をまとめています。(バナー背景のイラストはカバー装画にも使用している榎本マリコさんのものです)
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#芥川賞受賞作

【今村夏子著『むらさきのスカートの女』文庫解説】英語版翻訳者のルーシー・ノース氏が考える国境を超える魅力

言葉の可能性  語り手はある女のことが頭から離れない。その女はいつも公園のベンチにすわっていて、遠目には若い女のように見えるが、実はそうではない。顔には「シミ」があることさえわかっている。つまり、語り手は――語り手自身も女だが――しばしばその女のいるベンチに近づき、顔の造作までも仔細に観察しているのだ。 『むらさきのスカートの女』は、その冒頭から読者を引きつけてやまない。わたしはこれまで、河野多恵子の『幼児狩り』、川上弘美の『蛇を踏む』などの女性作家の作品を訳してきた。翻

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