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朝日新聞出版の文芸書

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書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。
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2022年3月の記事一覧

複雑な世界について、考え続ける<小佐野彈さん×李琴峰さん特別対談>

小佐野:李さんとは、台湾という縁があって、またお互いのセクシャリティの事もあり、なんとなく同じカテゴリーの人という括られ方をしてみられるのかなと思います。 李:そうですね。小佐野さんは、大学院までは日本にいてそこから社会人生活を台湾で過ごされて、私は逆に大学までを台湾で過ごし、大学院から日本に来て、そのまま日本で就職しました。台湾では働いたことがないので、逆の体験をしているわけですが。 小佐野:さっきも言った特定の共通点みたいなものが多いから、並べて、というと語弊があるか

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【朝比奈秋著『私の盲端』書評】現役医師によるデビュー作

「食」と「熱」の祝祭  就活を控えた21歳の大学生・比奈本涼子は、自分の身体にこもる熱をもてあまし気味だ。大学で女友だちと過ごす退屈な時間より、長くアルバイトをしている料理店「橙」で過ごす時間にどうやら充実したものを感じている。  そんな涼子を、突然の病が見舞う。アルバイト先での勤務中に突然、大量下血して倒れたのだ。幸い命はとりとめたが、大腸の一部を切除したので、再手術までのあいだ人工肛門で暮らすことになる。腸壁を裏返して医師が丁寧に縫い付けてくれた、薔薇のような人工肛門

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貫井徳郎著『迷宮遡行』の法月綸太郎さんによる解説を特別公開!

 十年間勤めた不動産会社をクビになった迫水の許から、ある日突然、妻の絢子が家出する。「あなたとはやっていけなくなりました。ごめんなさい。私を捜さないでください」とだけ書いた置き手紙を残して。親友の後東に励まされ、妻を捜し出す決意を固めた迫水は、身寄りのない絢子の過去を知る歌舞伎町のバーテン新井をたずねるが、新井は何かに脅えているようで、話をした翌日には姿を消してしまう。絢子と新井が相次いで失踪したことに不審を覚え、新井の身辺を探ろうとする迫水の前に、やがて暴力団関係者らしき男

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大型新連載3本に充実の創作、林芙美子文学賞受賞作も掲載!<「小説TRIPPER」2022年春季号ラインナップ紹介>

◆新連載小説 貫井徳郎 「ひとつの祖国」  第二次大戦後、日本は大日本国(西日本)と日本人民共和国(東日本)に分断された。ベルリンの壁が崩壊する頃、日本もひとつの国に統一されたのだが格差は埋まらず、再度、東日本の独立を目指すテロ組織が暗躍し……。パラレルワールドを舞台にした社会派エンターテインメント巨編。 田中慎弥 「死神」  死のうとするからあいつが現れるのか、あいつと出会ったから死にたくなるのか……うだつの上がらない「作家」である私の人生の折々に登場してくる、死神。中

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