麻見和史『殺意の輪郭 猟奇殺人捜査ファイル』第6回
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安川がパチンコ店に戻っていくのを見送ってから、尾崎は広瀬を見つめた。
「どういうつもりだ。さっきのは明らかにやりすぎだぞ」
責める調子で尾崎が言うと、彼女は不思議そうな顔をした。
「そうでしょうか? 私は捜査上の秘密を明かしたりしていませんし、問題はなかったと思っていますが」
「昨日今日入った新米じゃないんだから、君にもわかるはずだ。助けを求めた人間を警察が守れないなんて、そんな話をするのはまずいだろう」
「具体的に考えれば誰でもわかるはずです。でも実際には