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ロイヤルホストで夜まで語りたい・第16回「ロイホがロイホであるために」(村瀬秀信)

多々あるファミリーレストランの中でも、ここでしか食べられない一線を画したお料理と心地のよいサービスで、多くのファンを獲得しているロイヤルホスト。そんな特別な場での一人一人の記憶を味わえるエッセイ連載。

ロイホがロイホであるために

村瀬秀信

 大塚くんだりにロイホがあってくれたおかげで、俺の人生はギリギリの潤いを保てている。
 東京に出てきて二十余年。10年ほど前に75歳までの玉砕ローンで買ったネコの額の一軒家。最寄りのファミレスはロイホである。たいした出世だ。生まれ育った貧乏くさい家から含めて、引っ越しても、引っ越してもロイヤルホストのない町からついに脱却した。
 ロイホはいまや大塚における最高級レストランである。かつてファミレス御三家なんて言われたことも遠い昔。ロイホはここ数年の間にホスピタリティレストランとしての地位を揺るぎのないものとした。それは駅前が再開発で劇的に整備され、駅ビルに某高級スーパーが入って、あのリゾートホテルが進出してきたとしても尚、世界が大塚だけを残して破滅すれば、ミシュランもグルマンも食べログおじさんからも評価を独占するレベルで、だ。

村瀬秀信(むらせ・ひでのぶ)
1975年、神奈川県生まれ。ノンフィクション作家。

続きは『ロイヤルホストで夜まで語りたい』をお読みください!

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