マガジンのカバー画像

朝日新聞出版の文芸書

191
書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。
運営しているクリエイター

2023年5月の記事一覧

【#創作大賞2023 に参加される方へもおすすめ】編集者1年生が、D・R・クーンツ著『ベストセラー小説の書き方』を読んでみた

はじめまして。  みなさん、はじめまして。朝日新聞出版・書籍編集部、編集者1年目のKと申します。  新人の私が記事を書かせてもらうことになりました(ドキドキ)。  ということで、突然ですが、小説家を目指す方の助けになる、ディーン・R・クーンツ著『ベストセラー小説の書き方』をご紹介します。 本書を読む前に…… 『ベストセラー小説の書き方』  米国の人気作家、ディーン・R・クーンツによる小説作法の指南書です。 朝日文庫でも、刊行以来25年以上が経った今も読まれ続け、17

ドロドロした人間の欲望に勝てるのは? 山本一力『欅しぐれ〈新装版〉』/文芸評論家・縄田一男氏による文庫解説を特別公開!

 山本一力さんの作品にしばしば描かれるのは、越境する交誼、すなわちよしみ、いやそれより重いもの、命懸けの信義である。  越境すると書いたのは、信義を結ぶ男同士がまったく別の世界に生きていて、にもかかわらず厚い想いを通わせるからである。  本書における二人とは、履物問屋・桔梗屋の主の太兵衛と渡世人の猪之吉である。二人が、それぞれを見定めるきっかけも巧みなら、柳橋吉川の二階屋敷で大川を見ながら酒肴に興じる場面も抜群の冴えである。  二人はこの時の会話でお互いの生業が命懸けで

全国主要書店で開催中!朝日文庫「グランドフェア2023」ラインナップを紹介します

今村夏子『むらさきのスカートの女』 「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。20万部を超えるベストセラーとなっている芥川賞受賞作。文庫化にあたって各紙誌に執筆した芥川賞受賞記念エッセイを全て収録。 宇江佐真理『深尾くれない』  鳥取藩士・深尾角馬は生まれつきの反骨心から、剣の道に邁進する。しかし、不貞をはたらいた二人の妻を無残に切り捨てる。やがて一人娘の縁談

「水曜どうでしょう」D・藤村忠寿さんが、自身の新刊ではなく「日本のサッカー」について熱く語る/『人の波に乗らない』刊行記念エッセイ

王道でないからこそ  サッカーについて語ります。でも私はサッカー経験がありません。現在57歳。北海道テレビに勤務するサラリーマンです。「ローカル局制作のバラエティー番組としては異例のヒットを飛ばし、大泉洋を生み出した」と言われている『水曜どうでしょう』という番組のディレクターを務めてきました。あくまでも「異例」と称されているわけで、それは世間的には「王道ではない」ということです。では始めましょう。  まずはサッカーのルールについて。「ゴールキーパー以外は基本、手を使っては

※終了※児玉清氏による解説を期間限定で特別掲載! "罪と罰"の意味を問うサスペンス巨編、真保裕一氏『繫がれた明日 新装版』

※期間限定公開は終了しました。たくさんの方にお読み頂き、ありがとうございました!