【辻村深月さん×加藤シゲアキさん対談全文公開!】変化する小説との向き合い方
辻村深月(以下、辻村):文庫化された加藤さんの初のエッセイ集、『できることならスティードで』のテーマは旅です。そもそも、なぜ旅がテーマのエッセイ集を書くことになったのか伺ってもいいですか。
加藤シゲアキ(以下、加藤):最初は「小説トリッパー」から、旅というテーマのコラムでエッセイを一篇書きませんかという依頼があったんです。ちょうど一人でキューバに行こうと思っていた時期でした。一人で行くのは少し不安だったんですが、これは取材なんだ、と思うことで背中を押されるように飛行機に乗る