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朝日新聞出版の文芸書

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書評や文庫解説、インタビューや対談、試し読みなど、朝日新聞出版の文芸書にかかわる記事をすべてまとめています。
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2022年6月の記事一覧

芥川賞作家・高山羽根子『オブジェクタム/如何様』書評まとめ

『オブジェクタム』評者・栗原裕一郎さん「小説新潮」(2018年4月12日号) 評者・倉本さおりさん「産経新聞」(2018年10月14日) 『如何様』評者・助川幸逸郎さん「産経新聞」(2020年1月19日) 評者・大竹昭子さん「小説新潮」(2020年1月30日号) 評者・宮部みゆきさん「読売新聞」(2020年2月16日) 評者・鴻巣友季子さん「毎日新聞」(2020年3月1日) 評者・間室道子さん「DAIKANYAMA T-SITE」 その他、「北海道新聞」「神戸新

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【待望のシリーズ復刊】北原亞以子による人情時代小説の金字塔『傷 慶次郎縁側日記』 菊池仁氏の文庫解説を特別公開!

    <本書が原作>     時代劇セレクション「慶次郎縁側日記」(主演:高橋英樹)     NHK総合 毎週水曜日 午後3時10分から放送中     ※放送予定は変更になることがあります。  シリーズものとしては、池波正太郎「鬼平犯科帳」と比肩しうる面白さと人気を博した北原亞以子「慶次郎縁側日記」の待望の再刊が始まる。本書はその記念すべき第1巻である。  作者は重い病で病床にありながらも、旺盛な筆力を示していたが、2013年に75歳で急逝した。まずプロフィールを紹介す

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セクハラの実態を多面的に描き、各紙誌で大反響!文芸評論家・池上冬樹さんによる、井上荒野著『生皮』の書評を先行公開

■再生の光景 池上冬樹  副題を見たとき、少し論文めいて適当ではないと思ったのだが、「光景」が様々な視点から捉えられていて違和感がなくなった。「あるひとつ」の光景ではなく、「あるひとつの典型として」の光景であるかのような力ももつ。  動物病院の看護師の柴田咲歩は、夫にいえない秘密を抱えていた。生理がこないのを恐れていた。不倫したわけでも、夫を愛していないわけでもなく、妊娠をおそれていた。子供が好きなのに、子供を産みたくないのだ。なぜなら、自分の体がきらいだから。汚れている

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宇江佐真理が描いた“男装のおんな通詞”激動の生涯『お柳、一途 アラミスと呼ばれた女』高橋敏夫氏による文庫解説を公開!

激動する時代に、人の思いと生き方の一途さを問う 「お柳、一途」とは、なんともすばらしいタイトルだ。  主人公であるお柳(後に通詞の田所柳太郎で愛称アラミス)のつよく変わらぬ思いと、ひたむきな生き方をみごとに凝縮した言葉なのはもちろんだが、それにとどまらない。  お柳が「一途」なら、お柳と思いを交わすもう一人の主人公、榎本釜次郎(榎本武揚)の思いと生き方も一途である。お柳の父でオランダ通詞(通訳)の平兵衛や、お柳の友でキリシタンのお玉も一途である。  また、釜次郎をとり

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【今村夏子著『むらさきのスカートの女』文庫解説】英語版翻訳者のルーシー・ノース氏が考える国境を超える魅力

言葉の可能性  語り手はある女のことが頭から離れない。その女はいつも公園のベンチにすわっていて、遠目には若い女のように見えるが、実はそうではない。顔には「シミ」があることさえわかっている。つまり、語り手は――語り手自身も女だが――しばしばその女のいるベンチに近づき、顔の造作までも仔細に観察しているのだ。 『むらさきのスカートの女』は、その冒頭から読者を引きつけてやまない。わたしはこれまで、河野多恵子の『幼児狩り』、川上弘美の『蛇を踏む』などの女性作家の作品を訳してきた。翻

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夏号は創作2本が充実!さらに長期連載4本が堂々完結<「小説TRIPPER」2022年夏季号ラインナップ紹介>

◆創作小川哲 「君のクイズ」 『Q-1グランプリ』決勝戦。競技クイズプレイヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄の不可解な勝利に不正工作の疑念を抱く。真相を知るべく、彼について調べ試合を1問ずつ振り返る三島はやがて――。今夏大注目の鬼才による、クイズに材を取った新作274枚を一挙掲載します! 櫻木みわ 「カサンドラのティータイム」  スタイリスト見習いとして働く友梨奈と、牛肉加工工場でパートをしている主婦の未知。孤独に自分を責め苦しみながら夜を過ごしている、誰かと誰か。現代社

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